ギター馬鹿一徹 part.2
皆様こんにちは。島Dです。
本日はpart2ということでアコースティックギターに使われている「木」の種類に関してお話していこうと思います。今日は表板編ですね。
ギターは1種類の木材だけで作られていることはほぼ無いんです。part.1でお話した表板、サイド&バック、ブリッジ&指板に異なる木材を使用して1本のギターが出来上がります。
表板に関しては合板と単板があります。単板は1つの種類の木の板で出来たもので、合板は複数の板を組み合わせて出来たものになります。
-合板のメリット&デメリット-
【メリット】
木を重ねるので、単純に強度が増します。コスト的にもお得なので低価格のギターは大抵合板を使用しています。
【デメリット】
耐久面では強い合板ですが、音的には単板と比べると劣ります。理由としては合板は木と木を接着剤で貼り付けるので振動伝達が妨げられてしまい、音鳴りが多少悪いです。
-単板のメリット&デメリット-
【メリット】
先述した合板のデメリットの反対になります。弦の振動を素直に伝えることができ、よく鳴るボディーになります。なので音の立ち上げが早いです。
【デメリット】
合板と違い、耐久面で低いです。きちんと管理してあげないとボディ割れやブリッジの浮きなどすぐに出来てしまいます。アコースティックギターはとても繊細です。特に日本には四季があるので気温や湿度が季節毎に違いますので管理が難しいです。
アコースティックギター に使用される木材は下記になります。抜けがあったらごめんなさい。
エレキギターで使用している「木」を含むともう少しあるのですが、それはエレキギターに関してお話する時に書きますね!
- スプルース (松)
- シダー (杉)
- コア
- ローズウッド (紫檀)
- マホガニー (桃花心木)
- エボニー (黒檀)
まずは表板に良く使われる「スプルース」と「シダー」「コア」に関してお話します。
まずは「スプルース」。
スプルースでも実は色々種類のスプルースがあります。
- シトカスプルース
スプルースの中でも一番ポピュラーです。柔らかいですが強度があり、クセもなく固めな音が特徴。ギターに「スプルース」とだけ書いてあるものは、このシトカスプルースが使用されています。一番オーソドックスです。
- イングルマンスプルース
シトカスプルースと同じで軽さと強度を併せて持っていて、一般的に硬いと言われている優しく柔らかい音が特徴的です。弾き語りやフィンガーピッキングなどに向いています。
- ジャーマンスプルース
シトカスプルースよりも硬く、スプルースの中でも最も硬質。音抜けが良いのでナイロン弦のギター との相性がバッチリです。余談ですがジャーマン(ドイツ)と書いてありますが大体チェコ産です。
- イタリアンアルパインスプルース
アコースティックギターブランドで一度は聞いたことのある「Martin」のカスタムでよく使用される木材。多少強く弾いても音が潰れず、逆に弱く弾いてもきちんと音に芯があって個人的に一番オススメです。音に野生感より少し高級感をもたせたい方にオススメしたいです。
- アディロンダックスプルース
戦前のMartinギターに使用されていました。ただ杢目がすごく粗かった為、量産が出来なかったんですね。時代が経って植林された木が育ち始め再度使用されるようになりました。とは言っても入手困難で希少価値があるので高級ギターに使用されることが多いです。この木の最も特徴的なものとして、弾けば弾くほど、年が経てば経つほど良い音に変わっていくことです。音に関しては「パワフル」という言葉が一番しっくりきます。
- シダー
スプルースに比べてシャキシャキせず柔らかく丸い音が出ます。落ち着く音と言いますか。指弾きやアルペジオなど合います。シダーはアコースティックギターよりクラシックギターに使用されることが多いです。
- コア
コア材の特徴は何と言っても杢目ですね。美しすぎます。音色は高音がよく出てクリアです。
木について知っているとギター探しや試奏する時にもっと面白くなりますよ。
次回はサイド&バックで使われる「ローズウッド」「マホガニー」に関してお話します!
Written by 島D